2022/11/16
久保建英選手が『肩は外れただけ』と発言したことについて
先日15日にサッカーの久保建英選手がとあるイベントにて、10月27日に左肩が脱臼したことに関して『方は外れただけなのでもう大丈夫です』との発言がありました。
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2022/11/15/kiji/20221115s00002014636000c.html
本人は『基本的に足を使うスポーツなので問題ないと思います』と語っていますが、この発言について一般の方が脱臼に関して勘違いする可能性があるためこの記事を書いています。
世間一般的には『脱臼ははめれば元通り』という誤解がそもそもあります。
しかし、脱臼は『関節包』という関節が外れないようにする袋状の組織が破れて起こります。
『関節包』は強靭な繊維組織ではあるのですが、それを破るほどの強い力がかかるため周りの靭帯や筋肉などにも多大な負担をかけるだけでなく、場合によっては神経や血管、軟骨を損傷する可能性もあります。
つまり、『脱臼ははめたら元通り』なんてことは全くないわけで、むしろはめた後にやらなければいけない治療はたくさんあります。
アスリートはファンを心配させないようになのか、怪我をしたことに対して『大したことない』というような発言をする方が多くみえます。
しかし私のような医療従事者は、軽度の怪我であってもそれを適切に治療しなかった場合のリスクや、一般の方に与える影響などを考えると気が気ではありません。
例え捻挫であってもそれを治療しないと将来的な関節の変形につながることもあれば、今回のような脱臼であれば習慣的に脱臼しやすくなり、関節軟骨が削れてしまったり、それによって日常生活ですら支障の出るほど関節が不安定になることもあります。
アスリートはトレーナーがついていますし、きっと我々にみえないところで治療は受けているでしょう。
しかし、表に流れる情報を鵜呑みにした一般の方が怪我に対して大いに誤解をしてしまう事態だけは避けなければいけません。
どんな怪我でも、放置すればあなたの未来を苦しいものにする可能性があります。
そうならないためにも、どんな怪我でも甘くみずに早めに医師や柔道整復師(接骨院)で治療・施術を受けるようにしてください。
2022/11/15
11月の休院日
11月24日(木)は私用で臨時休院とさせていただきます。
その代わりに、前日の23日(祝)は本来祝日のため休院日ですが、24日の振替で通常通り営業いたします。
変則的な営業日となりますが、お間違いのないようお越しください。
2022/11/10
湿布は貼った方がいいの?って話
皆さんは『湿布』を使ったことはありますか?
きっと一度は使ったことのある方が多いのではないかと思いますが、「これは湿布を貼った方がいいの?それとも貼らない方がいいの?」と悩んだ経験はありませんか?
今回はそんな『湿布』についてお話ししたいと思います。
さて、まず前提として私のような接骨院・整骨院で先生と呼ばれる人間を『柔道整復師』といいますが、我々柔道整復師は“湿布を含む薬等の使用の指導はできません”。
なので、「こういうケースは湿布を貼る」「こういうケースは湿布を貼らない」という判断や指導は“一切できません”。
これは大前提となってくるので覚えておいてください。
とはいっても、私も患者さんから「こういうときは湿布を貼った方がいいの?」なんて聞かれることは多々あります。
もちろんその質問に対して『それなら湿布を貼ってくださいor貼らないでください』とは言えません。
そんな時に私は患者さんに“とあること”を聞くのですが、それは「今まで湿布を貼って楽になった経験はありますか?」というものです。
まず湿布は消炎や鎮痛といった効果がありますが、怪我や不調を“治す”ためのものではありません。
貼ったところで、特別治りが早くなる訳でもなければ、痛み止めの薬を飲んだ時ほどの痛みを抑える効果はありません。
(痛み止めの薬も“痛みを抑えるための薬”であって“治す薬”ではありませんが)
そのため、その患者さんが過去に湿布を貼って楽になった経験がある場合は湿布に対してポジティブな認識をしているケースが多いと思うので「湿布を貼っても差し支えない」とお伝えしますし、湿布を貼って楽になった経験がない場合は湿布に対してネガティブな認識をしている(少なくともポジティブな認識はしていない)ケースが多いと思うので「湿布を貼らなくても差し支えない」とお伝えしています。
結局のところ、湿布を貼るか貼らないかは医師の指示に従うよう話すか、患者さん自身の判断に委ねるしか我々柔道整復師にはできないと思うので前述のようなことしか言えません。
個人的には、どのような状態の方にも湿布は必要ないと思っているので、当院では一切湿布とそれに類するものは使いません。
結論としては、『湿布は貼っても貼らなくてもどちらでもいい』というように私個人としては思います。
2022/09/06
肩こりには健康保険が使えません。
接骨院でも非常に相談の多い『肩こり』ですが、その治療に健康保険が使えないというのは知っていますか?
健康保険が使えるのは『病気もしくは怪我』ですが、肩こりは病気でも怪我でもないのでそれ自体の治療には健康保険が使えません。
しかし、私が知る限りでは肩こりの治療に健康保険を使っている接骨院が多くあります。
これはなぜでしょうか?
それはそれらの接骨院が『健康保険の不正請求』を行っているからです。
大方『首の捻挫』か『肩の捻挫』と偽って保険申請をしているのでしょうが、これは立派な『違法行為』です。
違法行為ということは当然ペナルティもあります。
接骨院側には『患者・保険者に対しての返金と5年間全ての健康保険の使用ができない』『施術所名・住所などを違反内容とともに公表される』というペナルティが課せられます。
もちろん患者さん側も最悪の場合逮捕されることもあります。
そこまでのリスクを負ってでも健康保険で肩こりの治療を受けたいですか?
『知りませんでした』で済むほど法律は甘くはありません。
各保険者は健康保険の適正利用のために被保険者に対して書面で説明を行っています。
(保険者から届いた封筒の中に入っています)
これを読んだみなさんは、正しく健康保険を使ってくれる接骨院にいきましょう。
2022/09/06
怪我は1回の治療では治りません。
みなさんは『怪我』というとどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
切り傷や擦り傷などを思い浮かべるかもしれませんが、接骨院で対応できる(健康保険が使用できる)怪我は【骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷】のことを言います。
これらに共通していることは『カラダの構造・組織が傷ついている状態』ということです。
骨折は骨が折れている状態。
脱臼は関節が外れている状態。
捻挫は靭帯を伸ばして傷ついている状態。
打撲は何かがぶつかって筋肉が傷ついている状態。
挫傷は筋肉が伸ばされて傷ついている状態。
接骨院はこれら5つの状態に対して健康保険を使って治療を受けることができる施設です。
では、これらのカラダが傷ついている状態が1回治療をするだけで治るということがあるでしょうか?
答えは『NO』です。
擦り傷や切り傷でも傷が治るまでにはある程度の日数がかかりますよね?
その状態が皮膚より下で起こっているのが前述の5つなので、それらが治るのにも当然ある程度の日数はかかります。
治るまでには必ず複数日の期間がかかり、複数回の治療が必要となってきます。
適切に治療がされないと、カラダの本来の働きが正しく行うことができないため他の怪我を招く恐れがあります。
『ちょっと捻っただけだから』
『軽くぶつけただけだから』
と怪我を甘くみていると将来困るかもしれませんよ。